一体、どうなる?ドイツハンドボール男子代表次期監督は誰に


-ダグル・シグルドソン監督 2017年6月末を以って退任を発表-

10月26日、衝撃的なニュースがドイツ全土を駆け巡りました。ドイツ男子代表を率いるアイスランド人指揮官、ダグル・シグルドソン監督が2017年6月30日までの契約を満了し、退任することを発表しました

かつてのドイツ代表は自国開催の2007年ワールドチャンピオンシップでの優勝を最後に、国際タイトルから遠のいたチームでした。そこに、2014年にダグル・シグルドソンが監督として就任し、EHF EURO2016優勝、リオ五輪銅メダル獲得を成し遂げ、ドイツ代表を再び世界最高峰のレベルへと誘うことに成功しました。また、彼自身も、2015年のIHF Coach of the yearに選ばれるなど、世界最高の監督として評価されるまでになりました。

DKB Handball Bundesliga 及びドイツ代表チームの試合を放映しているテレビ局Sport1では、今回のニュースを大々的に報じています。

Sport1に因ると、約半年後に差し迫ったシグルドソン監督の退任を前にして、DHB(ドイツハンドボール連盟)は2つのプランを同時に進めているようです。

1つ目はシグルドソン監督の慰留
2つ目は後任の監督探し

です。

1. シグルドソン監督の慰留

まず、今回のシグルドソン監督の退任発表は決してネガティブなことが原因ではありません

世界最高のアイスランド人指揮官との契約は2014年から2017年6月末までで、2016年12月31日までに、シグルドソン監督が2020年までの契約延長もしくは契約の満了・退任を選べるというオプションが付いていました。
シグルドソン監督は3年という期間でチームの若返りを実行し(平均約25,6歳)、国際タイトルを2つ獲得したことで一つのサイクルが終焉したのだと考えたのでしょう。
代表チームの強化担当責任者であるボプ・ハニング副会長は、Sport1による「今回の決定に不満を持っているか」という質問に対して

「不満は全く無い。今回はダグルとこれまで築いてきた信頼関係の下、腹を割って話した結果であって、2つの選択肢は未だ存在する」

と答えています。ハニング副会長の言葉をそのまま捉えるとすると、今回の発表はシグルドソン監督の意向をDHBが尊重した結果ですが、DHBは後任探しを進めながらも彼との契約延長を諦めてはいないということになります。
若返りを図りながら、これまで52戦39勝の戦績を残している名将の代わりを見つけるのは相当難しいでしょう

2. 後任の監督探し

アンドレアス・ミヒェルマン会長、ボプ・ハニング副会長が以前から公言している、「2020年東京五輪で金メダルを獲得するという目標達成」のために、チームの若返りは必須でした。そして、成功に満ちた2016年から伺えるように、プロジェクトは着実に進行しています。

しかし、2020年の目標を達成する為には、シグルドソン監督に並ぶ名将の確保が不可欠となります。

Sport1が挙げている後任候補は4名います。

・アルフレッド・ギスラソン(THW Kielテーハーヴェー・キール)
→2019年6月30日までの契約
・リュボミール・ヴラニイェス(SG Flensburg-Handewittエスゲー・フレンスブルク・ハンデヴィット)
→2020年6月30日までの契約
・マルクス・バウル(TVB 1898 Stuttgartテーファウベー・1898シュトゥットガルト)
→2018年6月30日までの契約
・ミヒャエル・ビーグラー(女子ドイツ代表)
→2017年12月31日までの契約

しかし、ビーグラー以外の3名は各所属先で長期契約を結んでいます。これは、ドイツ代表の監督を努める上で、大きな障害となる可能性があります。

かつて、シグルドソン監督は2014年の就任当初はFüchse Berlin(フュクセ・ベルリン)の監督を兼務していましたが、代表監督との両立は難しく翌年から代表監督に専念しています。

このような事実を踏まえると、所属先と長期契約を結んでいる彼らとの契約は困難かと思われます

ただ、シグルドソン監督クラスの名将となると空きが少ないのも確かです。
強いて別の候補を挙げるとすれば、2017年1月で契約が切れるアントニオ・カルロス・オルテガ日本代表監督くらいだと思われます。しかし、ドイツ語を話せる人材が優先されるでしょうから、契約実現の可能性は低いと思います。

ドイツ男子代表の後任監督問題、今後どう進んでいくのでしょうか。今後の動きに要注目です。

情報ソース:Sport1 Handballnews

RyoheiKobayashi
1987年神奈川県藤沢市生まれ。ドイツ連邦共和国ラインラント=プファルツ州マインツ在住。日本ハンドボール協会ヨーロッパ特派員。 学生時代ドイツへ旅行した際に観たEHFチャンピオンズリーグRhein-Neckar Löwen対FC Barcelonaで感じた興奮と、Gudjon Valur Sigurdsson(Rhein-Neckar Löwen)によるファンサービスへの感動からドイツへの憧憬を覚える。 卒業後、東証一部上場メーカーで勤務するも、休暇を利用して訪れたドイツにて、THW Kielの広報、Füchse Berlinの事務局長へインタビューしたことをきっかけに、ドイツの地でプロハンドボールクラブのマネージャーになることを志し、退職して渡独。2017年春よりマインツ大学大学院国際スポーツマネジメントコースへ入学予定。 現在、入学準備を進める傍ら、代理人、通訳としても活動中。 好きな酒は、日本酒、球磨焼酎、ビア、ワイン

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