ハンドボールはジャイアントキリングが起きづらい。そのデータから学ぶことは??


 ラグビーW杯で、日本代表が南アフリカ代表を破るという快挙を達成した時に「ジャイアントキリング(番狂わせ、弱者が強者を倒す)だ!」と大騒ぎになったのを覚えていますか??

 さて、そのジャイアントキリングに関する面白い記事を見つけましたので、ご紹介します。
スポーツにおけるジャイアントキリング~スポーツ別での大番狂わせのお話~

 この記事の後半部分にデータが掲載されており、

サッカー > アメリカンフットボール > バスケットボール > ハンドボール > ラグビー

という順番で、ジャイアントキリングが起きづらくなっているそうです。
 つまり、ハンドボールはラグビーに次いでジャイアントキリングが起きづらいということがデータから読み取れます。

ジャイアントキリングが起きづらいことが意味することは?

 ジャイアントキリングが起きづらいということは、チーム力が近くない場合、勝つチームは勝ち続け、負けるチームは負け続けるという構図が長く続きやすいということです。これを運営という観点で考えると、チームの勝ち負けに依存するチーム運営では、下位チームほど苦しい立場に追いやられてしまいます

 その苦しい状況を抜け出すためには、チームを強くする以外方法がありませんが、その方法に短期で効果的な施策はあまりなく、仮にうまくチームを強くしていけても長く時間がかかることは間違いありません。チームを強くしている間に、勝つチームにはより優秀な選手が集まっていく構図が出来上がり、さらにジャイアントキリングが起きにくくなっていくという循環に巻き込まれてしまい、チーム作りもうまく行きづらくなるかもしれません。

 リーグの中に複数チームが存在する以上、必ず強いチーム、弱いチームが存在します。しかし、強いから応援されるだけでは、JHLの理念の1つである「スポーツ文化として地域社会と融合したハンドボールの振興」に貢献することが出来るでしょうか??

 はっきり言って、僕は、出来ないと思います。なぜなら、どんな時でも愛され、応援され続けるチームであることが、”文化”として地域に根づくために重要だと考えているからです。

 もちろん、チームは強いチームとなるべく、日々戦い続けることは重要です。しかしながら、チーム運営として、目指すべき方向は「チームの勝ち負けに依存しない運営」であり、そのためには「マーケットイン」の発想が重要です。

マーケットインの発想とは

 「マーケットイン」とは、マーケティング用語で、その対となる「プロダクトアウト」という用語と比較しつつ意味を説明します。

プロダクトアウト(product out、product oriented)とは、企業が商品開発や生産を行う上で、作り手の理論を優先させる方法のことです。「作り手がいいと思うものを作る」「作ったものを売る」という考え方で、たとえば、従来の大量生産がこのやり方に当たります。

マーケットイン(market in、market oriented)とは、ニーズを優先し、顧客視点で商品の企画・開発を行い、提供していくことです。プロダクトアウトの対義語であり、「顧客が望むものを作る」「売れるものだけを作り、提供する」方法を指します。

引用元:プロダクトアウト、マーケットイン

「顧客が望むものを提供する」

 この言葉、誰しもが「そんなの当たり前じゃないか」と思うはずです。

 でも、事実は違います。

 人は常に自分の思い込みで、事実を歪めて理解してしまっています。

 その具体例として、この話を紹介します。

40億の赤字を1年で黒字化! ヤフー・小澤隆生氏が語る、楽天イーグルスを救った”逆転の発想力”とは?

 この「楽天イーグルスのライバルは「居酒屋とカラオケ」」以降の内容です。

・楽天イーグルスは、初年度38勝97敗という、非常に弱いチームだった。
・ほとんどの球団にヒアリングしたら「優勝したら来る」「勝ってればお客さんは喜ぶ」。
・しかしながら、今まで居酒屋に行ってたお客さんが、あの球場に行っても面白いなと思っていただけるようにしようというトライを通じて、その年度は黒字を達成した。

 今だから分かりますが、運営で成功している球団でさえ、思い込みをしていたのです。

 楽天ではチームの勝ち負けに関係なく、お客さんは来てくれるようになりました。

 なぜ来てくれるようになったのか?

 チームの勝ち負けではなく、試合の運営全体を通じてお客さんの求めているものを提供したからです。

※ちなみに、こういった理由から勝ちを目指さなくて良いという主張ではありません。当然、勝負の世界なので、勝ちを目指すべきです。しかしながら、チームの勝ち負けだけに依存していては、チームの運営として望ましくないという主張です。

お客さんの望むものは何?

 JHLに、お客さんが望むものの答えを、僕は持ち合わせていません。今僕がこうだと言っても、きっとそれも思い込みであり、プロダクトアウトの発想にもとづいてしまっているからです。

お客さんの望むものを見出すには、何回も仮説を作り、何回も壊し、何回も壁にぶち当たりながら築き上げるものです。

– 自分たちが時間をかけて作ってきたという思いから、事実を歪んで解釈し、顧客は本当に満足していると思い込んでいないか
– 自分たちの提供するものが顧客を満足させているという考えの前提に、実はその人の思い込みが含まれていないか

 これらのバイアスに負けることなく、いかにしてお客さんの望むものを見出し、それを実現するか。このマーケットインの発想は、とても重要だと考えています。

 皆さんは、どう思いますか?

よくある質問

 こういった話しをした時に、よく聞かれる質問として「お客さんが望むなら、どんなことでもやって良いのか??」と言われます。

 その答えは「いいえ、違います。常にビジョンを判断基準としましょう」と言っています。

 つまり、この場合JHLの理念に基づくのです。

HANDBALL FOR ALL GENERATIONS
– すべての人にハンドボールを –
友情・夢・感動

スポーツ文化として地域社会と融合したハンドボールの振興
ハンドボールの日本リーグは日本各地の地域に根ざしてホーム(タウン)&アウェイで展開しますが、受皿である地域の側には高齢化や少子問題など、社会的な問題が起こっております。日本リーグは広く深く地域に根ざす意味から、スポーツを実際にする人だけでなく、若い人からお年寄りまで広くコミュニケーションを図りながら、ハンドボールのステイタスを向上させて行きます。

オリンピック、世界選手権など国際レベルでの競技力向上
国際化社会が進む中で、そのスポーツが国際的にみて通用するかどうかが、そのスポーツ全体の価値観になっています。その意味で常に日本リーグの選手が国際レベルにあるように競技力を向上させ、日本代表チームの強化を支援するのも日本リーグの大きな役割です。

次世代の子供達への夢のあるハンドボールの環境づくり
多くの次世代ハンドボーラーを育てるため、子供達にとって夢のある豊かな環境づくりを推進し、日本リーグを展開して行きます。

引用元:JHLの理念

 常に、ビジョンに基づく「なぜ?」を大事にしながら、新しいトライをしていくのが大事です。

Masanori Abe
中学、高校とハンドボール部で青春時代を過ごし、大学からは観戦メインのハンドボーラー。ハンドボールが好きすぎて、スポーツ×ITの会社を創業し、スポーツライブ観戦サービスを制作、運用中。リリース済みのiOSアプリは、Appleから年間のベストアプリに選出される。
湧永製薬2番、谷村選手が憧れの選手。

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