[第2回] ハンドボールを全く知らない私が、ハンドボール界に提言できること


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ボルシア・ドルトムント−−

 

97年の歴史を持つドイツの名門クラブは、世界で最もサポーターをスタジアムに引き寄せるフットボールクラブと言われています。事実、2014-15シーズンの平均観客動員数8万人突破は世界最高数であり、スタジム稼働率99%、シーズンパスの5万5000枚は完売しその継続率は99.9%です。

 

では、いかにしてこのような人気を保てるのか。その秘密を探る上で皆さんに参考にして頂きたい記事があります。

【新】世界一の平均観客動員数。ドルトムントのデジタル戦略


世界最多観客を呼ぶドルトムント流アナログコミュニケーション

 

この記事の中でドルトムントはサポーターを魅了する為に、

 

1) クラブが持つべきアイデンティティを確立させる

2) 時代の波を積極的につかみにいく

3) クラブとサポーターとの心の通った関係性を構築する

 

といった3点に注力していることが書かれています。今回はその中の(1)について記します。

 

 

−「ドルトムントのイメージを特別なものにするために、

統一されたコンセプトの下にキャンペーンを行なってきました

ベネディクト・ショルツ (ドルトムントの新ビジネス部門責任者)−

 

チームは2005年に債務超過で倒産の危機に直面したことを契機に、2008年よりデュッセルドルフのマーケティング会社『XEO』と契約しました。クラブのブランドイメージを高め、より多くの人に関心を持ってもらうことが目的です。チームは「Echte Liebe.」(本物の愛情、真の愛)というキャッチコピーを打ち出し、ピッチ外のすべての活動をこのコンセプトの下に行っていきました。このコンセプトは、ドルトムントの象徴である8万人収容のスタジアムを埋め尽くすサポーター達からきています。彼らのチームへの思い、忠誠心は世界トップレベルで17年連続観客動員数リーグ1位はその事実を物語っています。

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具体的な例をここで一つあげましょう。

 

 

場面はドルトムントの病院からスタートし、ドルトムントのサポーターたちの腕からチューブが伸び、黄色の液体が採取されている場面が映し出されます。人気俳優が扮したドクターが「アドレナリンです」と説明、ここで場面が深夜の倉庫街に切り替わります。そして「私たちはブンデスリーガ最大の秘密を発見した」というナレーションとともに、ある真実が告げられます。「ブンデスリーガの他クラブは、ドルトムントのサポーターたちから採取されたアドレナリンを買っている。彼らはアドレナリンがあまりにも少ないからだ」と。

ゲルゼンキルヘン・ナンバーの車に段ボールが搬入され、続いてボルフスブルク行きの段ボールが映り、そして最後はミュンヘン・ナンバーの車が――。バイエルンも、シャルケも、ボルシアMGも、ドルトムントのアドレナリンのおかげで盛り上がっているという意味であり、自分たちこそがリーグの人気を支えているという自負が感じ取れます。皮肉とユーモアに満ちたこの作品は、1日に30万回という再生回数を記録しました。これらの取り組みによってドルトムントは、2012年3月、ドイツマーケティング協会が主催する『ブランド・アワード』の特別賞をサッカークラブとして初めて受賞したのです。

 

スポーツチームがマーケティング会社と提携し、チームのアイデンティティを確立するためにブランド戦略を立てることは聞き慣れていないことかもしれません。しかし、ドイツではドルトムントの例を皮切りに多くのクラブが次々と同様の戦略を立てサポーターへアプローチしています。

 

アイデンティティを確立させることで、

既存・新規問わずクラブはサポーターたちにとって親しみやすく、「特別」な存在になります。

また、チームのあらゆる方針を決める上で大きな指針となっていくことがドルトムントの例から伺えます。

 

ハンドボール界において、クラブはそのような取り組みを行い「特別」な存在になっているでしょうか?

コストの面を考えると、容易にできることではないかもしれません。しかし、チームの幹であるアイデンティティを確立させることはサポーターへ歩み寄るために大切なことだと思います。

 

次回は、2) 時代の波を積極的につかみにいく

これです。

 

Endo

 

 

EndoYuki
スポーツビジネスに携わり、サッカーと深く付き合ってきたEndoです。 ハンドボール経験は全くない私だからこそ「ハンドボール界では当たり前なことを、客観的に見れる」ことがあります。ハンドボール界の常識にとらわれない考え方、発想でハンドボール界に貢献していければと思います。

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