【早稲田大学2年 小林佑弥さん】”彼を知り己を知れば百戦殆からず”を大切に


最初に、筆者である安部の大学進学時のお話をさせてください。

僕は大学進学時、ハンドボールは「自分がプレーするもの」という固定概念しか持っていませんでした。そのため、怪我の影響もあり、ハンドボールは好きだけど、ハンドボールをプレー出来ないから、ハンドボールから離れようという意思決定をしました。

ただ、自分が決めた道でありながら、ずっと後悔をしていました。
それは、ハンドボールが好きという、自分の気持ちを無視していたからです。

ハンドボールはプレーをする以外にも道はある。

きっと、今年の春に大学進学する高校生のうち、僕と同じようにハンドボールから離れる人もいるかと思います。でも、「アナリスト」や「コーチ」という道もあるよ。ということを知っておいて欲しいと思い、小林さんにインタビュー申し込ませて頂きました。

 
今回のインタビューのテーマは「ハンドボールに携わる人生って幸せ??」です。小林さんのお話を聞いて、改めて自分にとってのハンドボールってなんだろうと考えてみてください!!

 

インタビュー開始

安部
こんにちは、昨年末の日本選手権の会場でお会いしましたが、その時じっくりお話出来ませんでしたね。なので、今日じっくりお話出来るの楽しみにしていました。
本日はよろしくお願いいたします!

小林さん
はい、よろしくお願いします!

最初に

安部
小林さんは「アナリスト」になりたいと思って、「アナリスト」の道を選んだんですか??

小林さん
いいえ、元々「アナリスト」になりたいと思っていたわけではありません。
始めたキッカケは、言ってしまえば「運が良かったから」です。

大学1年生の夏に、母校である藤代紫水に顔を出しに行った日が、滝川監督のもとに分析ソフトが納品された日でした。滝川監督は、その分析ソフトを出来る人を探していて、「僕がやってみます」と声を上げたのがキッカケです。

安部
始まりは、本当にたまたま偶然が重なったんですね!

ちなみに、アナリストがいるチームとアナリストがいないチーム、何が違ってくるんですか??


小林さん
アナリストがいる強みは、ハンドボールを客観的に分析できるところです。

例えば「相手チームは、速攻でガンガン点を取るから、速攻をしっかり守るよう意識しよう!」と思っていても、実は「頻繁に速攻を仕掛けているチームが、セットオフェンスでの得点効率のほうが良い」ということもあります。そうした分析を出来るのが、アナリストの強みです。

安部
ちなみに、銘苅さんが書いていたアジア選手権の記事で、アナリストが帯同されているというのを知りました。今、ハンドボール界ではアナリストという概念は広まっていますか??
小林さん
はい、今年度から日本代表の全カテゴリにアナリストがつくようになりましたし、徐々に広まりつつあると思います。

滝川監督が2013年にU19でハンガリの世界ユースに参戦した時に「アナリストとキーパーコーチは絶対必要だ」とおっしゃたそうです。

安部
なぜ、滝川監督は、その2つが必要だと言ったと思いますか??

小林さん
影響を受けたのは、その大会で優勝したデンマークからだそうです。

その代表監督が「今の子たちがフル代表になったら、アナリストやキーパーコーチと共に戦っていくんだから、アンダーの時からつけてあげなきゃダメでしょ」と言われ、カルチャーショックだったそうです。

そのデンマーク監督にまつわるエピソードがあります。

エレベーターで田中圭(筑波大学所属)が滝川監督とエレベーターに乗った時に、後ろからデンマークの監督に肩を叩かれ「タナカ、タナカ」と言われたそうです。
なぜ知ってるのか?と聞くと、「ちゃんと分析してるんだから知ってるよ」ということだそうです。

憧れの選手

安部
この前、小林さんの別のインタビュー記事を読んで、子どもの頃、イヴァノ・バリッチ選手が好きで。という話しに衝撃をうけました。

僕の頃は、憧れの選手と言えば部活の先輩や別の学校の上手い選手ばっかりで、外国のハンドボール選手が憧れの存在になるというのが想像出来なかったからです。

一体、どういうキッカケから、その選手を好きになったんですか??


小林さん
筑波で教えてくれたコーチの影響が大きいと思います。

僕達が小学校を卒業するタイミングで、半年ほどコーチをしてくださっていた銘苅さんから外国人選手のプレー集が詰まったDVDをプレゼントして頂きました。そのDVDを観て、外国人選手ってスゴいなと知りました。

その後、2008年の北京オリンピック世界最終予選で、日本代表がクロアチアと対戦します。そのクロアチアの選手の中でも、ひときわ目についたのがバリッチ選手でした。

しかも続けて、スポーツイベントハンドボールでバリッチ選手のインタビューがあり、「こいつかっこいいな」と完全に好きになりました。

安部
キッカケは銘苅さんで、その後プレーを観る機会、そしてスポーツイベントハンドボールの記事と、連続して知れたのは大きいですね。

ちなみに、スポーツイベントハンドボールから学んだことは他にもありますか??


小林さん
色々あります!!その中でも、特に日本人が外国でハンドボールをしているということを知れたのが大きいですね。

それを知れたことで、外国でハンドボールをするということを考え始められました。

クロアチアハンドボール

安部
小林さんは、早稲田大学に進学し、2年生の秋頃にクロアチア留学をされましたよね。そのクロアチアのハンドボールの特徴を教えてください。
小林さん
クロアチアのハンドボールは、個人重視です。

形を決めずに、スカイプレーをするなど、とてもアドリブが好きです。

安部
それを聞くと日本人のプレースタイルとは違うなという印象をいだきますが、どうしてその違いが出るのですか??
小林さん
留学中、監督がしつこく言っていたのが「ハンドボールはチェス」です。

つまり、ハンドボールは読み合いが大事で、「こう来るだろうから、自分はこう攻める」といった選択の結果「ここはスカイプレーするっしょ」という自由な発想に繋がっているんだと思います。

安部
 常に一歩先を読んで、自分のプレーを選ぶという自由さですね。

「自分はこういうプレーをするんだ」と主張をするのは、その選手が自分にそれだけの自信を持っているのか、また環境としてそういうものなのか、どっちだと思いますか??


小林さん
全カテゴリを見ていたから分かったのですが、自己主張するような選手じゃないと上に上がっていけないということです。

選手が意見を言い、監督も意見を言うことで、新しい発想をもたらし、共に高め合える関係性になっていくことが大事なんだと思います。なので、クロアチアの攻撃を見ていて、「相手ディフェンスに、しっかり対応されちゃってるな」と感じることはあまりないです。

安部
日本とクロアチアのハンドボールを比較してみて、日本の強みってどこにあると思いますか??

小林さん
日本の強みは、一瞬の素早い動きで、それは外国でも通用しうるポイントだと思います。

そのため、日本が勝つためには、その素早さを活かした闘い方が重要になってくると思います。

帰国後

安部
帰国後、藤代紫水のGKのコーチをされていますが、どういった関わり方になるのですか??

小林さん
普段は大学の授業があるので、金曜から日曜の練習を観ています。

毎回トレーニングを組んで、次の時にそのトレーニングの成果を観て、改めてトレーニングを組むという流れです。自分が一緒に行けなかった試合の動画を見せてもらい、チェックすることもあります。

安部
GKコーチとして、選手を育てるのって、どういった考え方でやるんですか??

小林さん
TOPレベルのキーパーと比較して、教える選手の特徴、手の長さや運動能力を考慮して「この子は、どこ代表のこの選手に近いな」という発想から、教える内容を決めています。

また、監督から、こういったことが出来るようにして欲しいというリクエストや、こういう技術を身に着けると、もっと力を伸ばせる。という点も考慮します。

将来

安部
大学卒業後、更にその先、どういった人生を歩んで行きたいですか??

小林さん
やりたいことが本当に沢山あります!!

ただ、自分からハンドボールを取り除いた時に、何も残らない人にはなりたくないです。
なので、マーケティングなどの勉強もやっていき、自分の将来をもっと考えていきたいなと思います。


 

安部
ハンドボールに携わる人生、幸せですか?

小林さん
はい、幸せです!!

安部
その言葉が聞きたかった!!!!

最後に、自分が大切にしている言葉を書いてください。


小林さん
自分がアナリストとして大切にしている言葉です。

彼を知り己を知れば百戦殆からず

アナリストとして、相手を分析し、自分を知ることで、勝利に貢献していきます!!

孫氏の言葉で今回のインタビューを終えました。

インタビューを通じて、僕は大学進学時にアナリスト、コーチという存在を知っていたら、そっちの道を選んでいたのかもしれないな。という思いをいだきました。だからこそ、この記事をこれから人生の選択迫られる高校生に、是非読んで欲しいと、一段と強く思いました。

以上、早稲田大学2年小林さんへのインタビューでした!!

Masanori Abe

中学、高校とハンドボール部で青春時代を過ごし、大学からは観戦メインのハンドボーラー。ハンドボールが好きすぎて、スポーツ×ITの会社を創業し、スポーツライブ観戦サービスを制作、運用中。リリース済みのiOSアプリは、Appleから年間のベストアプリに選出される。
湧永製薬2番、谷村選手が憧れの選手。

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